個人開発のためのWebサービス公開マニュアルの感想文。というか、気になった言葉のクリップ集。
読んだ感想
Git操作からデプロイやリリース・運営まで網羅していてすごいボリューム。 アプリケーションを作る以外の部分が丁寧に書いているので、 「リリースってどうするんだろ?」って人は一度読むのがいいかも。
技術書では珍しく、Heroku/GCP/AWSと複数の環境の話が書いてあるので、 それぞれ見てみて、どれにしようか考えることができる。
なにかをリリースしたことがある人でも、3章4章は知見とエモさの宝庫。。
「リリースするのがゴール」ではなく、「維持・発展させていくこと」が目的の本なんで、 どう広めるか、どう運用していくか、リリースのあとの話も充実。。
著者の実体験でもあるので、見解・解説に説得力があるし、
運営しているからこその体験談や心得が多い。。
特にp.383 / p.384は定期的に何度も読み返したほうがが良いほど、刺さってる。
夢を持って初めて、そして絶対に誰かに届けたい思いがあるのであれば、
ユーザがなかなかあつまらなくても、誰にも感謝されなくても、
とにかく続けていきましょう。
運営を成功させるためには、それが最低条件です。
存在しないサービスの成功率は絶対に0%です。
クリップ集
p.64 どの環境や組み合わせで作るべきか
- 譲渡や売却の可能性を考える
- よく使われている言語やフレームワークを使う
- 譲渡が可能な構成になっているかを考えておく
この章、EXITが譲渡や売却を目指しているのであれば大事で、 あとで譲渡したいと思うこともあるので、企画・設計段階でこのあたりを意識する必要がある。
p.297 デプロイ時の失敗例
- サーバは乗っ取られる
- 情報漏えいに気を付ける
- 低スペックのサーバの場合は要注意
この章全体的に大事....
p.304 なぜGoogle Analyticsが必要か
ユーザの声を得ることは難しい ユーザからのフィードバック、つまり問い合わせやSNS、ブログ上でのサービスについての言及などはサービスを改善していくために、非常に重要なものとなります。
これができないと、開発者が自己満足で自分の作りたい機能を作り、メインとなあるユーザが望まないサービスの形に改変してしまうことも起こりえます。
p.305 いつ、どの時間帯にアクセスが多いのか
SNSで集客しやすい時刻である可能性が高かったり、その時刻が重要であろう機能を予測して開発に挑むこともできます。
p.305 どんなデバイスでアクセスが多いのか
仕事中にアクセスが多いサイトなどはスマホよりもPCでのアクセスがダントツに多かったりします。その場合はPC上で使いやすいようにUIや機能を最適化あしていくことが望ましいでしょう。
p.307 よくアクセスされるページはどこか
開発者自身、ここがよく使われるだろう、と思って手をかけていたページに実はアクセスがなく、逆にぜんぜん違うページにアクセスが多かった、などということが分かる場合もあります。
この場合そのなぜそこにアクセスが多いかを考えることで、ユーザが本当に求めているものが何か、ということを知ることができます。
p.308 サイトの閲覧をやめ離脱しているページはどこか
初めて訪れたユーザの離脱率が高ければサービスに興味をもたせる要素が少なすぎる可能性があるため、もっとわかりやすい操作方法にしたり、必要な説明を付け加えることで離脱を防ぎユーザを増やすことができる可能性があります。
p.309 各ページの次にアクセスが多いページはどこか
つまりそのページのリンクやボタンの中によく使われる重要なものがあるということです。
それを調査することで他のページにも同様のリンクやボタンを設置してサービス内の回遊率を高めることができる可能性があります。
p.318 構造化データを利用する
構造化データという仕組みを利用して流入を高めることも可能です。 このようなものは、自分のサービスのHTML上に構造化データを記述しておくことで実現できます。
p.335 どのように広告を貼るとよいか
- ページの最初
- 記事の途中
- コンテンツの最後
- 常時表示される場所
p.338 Cloudflare
CDNのメリット
- サーバの不可が軽減される
- 配信が高速化される
- 攻撃から守る
- APIの利用が可能
Cloudflareの使い方が解説されている章。スクショも多くわかりやすい。
p.362 SNSで広まりやすい仕組みを作る
シェアボタンの話や、拡散させる方法とその重要性について書かれている章。
Twitter / Facebook / はてなブックマークなどのシェアボタン設置の仕方なども書いてある。
p.381 収益化するために:続けていくために
ユーザの数や利用頻度が高いほど、サポートも多くなり、そのうちサーバにかかる費用なども増えるため、ただ継続するだけで負担になってきます。
そうなると最終的に閉鎖という道を選ばざるおえない状況になりますので、それよりは収益化を行うことでモチベーションを上げる材料を増やし、良いものを長く提供できたほうが自分にとってもユーザにとってもメリットがあります。
p.383 サービスの運営を継続する
失敗してしまう一番の原因、それはそれが成功する前にサービスの運用を止めてしまうことなのです。
p.384 サービスに勝手に人は集まらない
バズることもあればバズらずマイペースにやっていくこともあるでしょうが、基本的に継続的に宣伝が必要です。
大きな企業や有名なサービスも、延々とサービスのマーケティングを行うことで成功を収めています。それであるのにも関わらず個人がなにもしないで勝手ににサービスが成功する、ということはなかなか難しいことです。それを決して忘れてはいけません。
p.384 マーケティングは重要
どれだけ素晴らしいサービスを作っても、適切なマーケティングを行って集客が出来なければサービスが利用されず非常にもったいないです。
p.384 とにかく運営を続ける
夢を持って初めて、そして絶対に誰かに届けたい思いがあるのであれば、ユーザがなかなかあつまらなくても、誰にも感謝されなくても、とにかく続けていきましょう。運営を成功させるためには、それが最低条件です。存在しないサービスの成功率は絶対に0%です。
p.387 敗因はなんだったのか
自分で手をかけていなかった
サービス初期はそのような過疎感をいかに取り除くかが重要です。
そのようにして安心して使ってもらえるような環境づくりが必要です。